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ベゾスVSワシントン・ポストだけじゃない!アメリカの新聞で大統領選挙支持候補をはっきりさせる会社が急減している

日本の新聞社とちがって、アメリカの新聞社は政治的スタンスをはっきりする。大統領選では誰を指示するかを明らかにするーーメディアの世界ではよくそう言われてきましたが、その様相が変わってきています。

今回の大統領選では、カマラ・ハリス支持の社説を掲載しようとしていたワシントンポストに対し、オーナーであるジェフ・ベゾスが大統領選の支持を打ち出さないように指示をしたことが話題になりました。

ワシントン・ポストは前回、前々回の大統領選でも反トランプを打ち出したこともあり、ベゾスの方針に反発した多数の読者が定期購読を解除するという騒動になりました。

アメリカの大統領選挙では最近はすこしずつ誰を支持しするかをはっきりする新聞社が減っており、特に今回は大半の新聞が共和党か、民主党か、その政治的立場を明らかにしなかったことを、米国のニュースメディア「AXIOS」が下の記事で報じています。

Newspapers rapidly kill off the presidential endorsement(2024/11/5)


同紙は背景に、かつては独立系や家族経営が多かった米国の新聞社が、現在では巨大なメディアグループの一員になっていること。その所有者であるヘッジファンドやプライベート・エクイティ・グループは、政治的な支持をやめさせる傾向があることを指摘しています。

また、新聞各社によるアメリカ社会の分断と当選後の政治的報復への懸念もあるといいます。

ワシントン・ポストの場合、トランプ氏が前回の大統領在任中は政権攻撃の急先鋒でもありました。大統領選挙にとどまらず、その報道姿勢まで変わることになるのか。ほかの新聞社はどうなのか。

これから先の報道が気になります(瀬)

このコラムは、あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしいという方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツなどをおすすめしています。

タイトル写真はトランプ氏のX(左)、AXIOSのサイトより