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アメリカ大使館員を襲う原因不明の奇病の犯人は「ロシアの29155部隊」というスクープ

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

ハバナ症候群、ロシア軍情報部隊の兵器が原因か=調査報道サイト

『ハバナ症候群』をご存知でしょうか。

世界各地の米外交官らが頭痛や吐き気、めまい、記憶力低下など原因不明の体調不良を訴えることで、世界中で1500以上の症例があるといわれます。

2016年、キューバの首都ハバナにある米大使館で頭痛や吐き気などを訴える職員が相次いだものの、その原因がわからなかったことから、そう呼ばれるようになりました。

この「ハバナ症候群」について、ロシアを専門にする調査報道サイト「インサイダー」は、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が使っていた「エネルギー兵器」に関連している可能性があると発表したことをロイターが報じています。

この元になったインサイダーの記事は調べてみると、こちらでした。

ハバナ症候群については、2023年に「外国の敵対勢力が関与している可能性は極めて乏しい」と米情報機関が調査報告を公表しています。

今回のインサイダーの調査報道は、米報道番組「60ミニッツ」、独誌シュピーゲルと協力して1年間におよぶ取材の結果、GRU傘下にある「29155部隊」という工作隊が使う指向性エネルギー兵器が、その犯人だという可能性が高いと指摘しています。

この29155部隊の幹部が「非致死的音響兵器」の開発に関連した仕事で表彰され、政治的昇進を受けたことなどを証拠としてあげています。

これまで調査報道集団「BellingCat」と連携しマレーシア航空の墜落がロシアの仕業であることを暴くなど、世界的なスクープをものにしてきた「インサイダー」の報道だけに、今回の報道もとても衝撃的で、その行方が気になります(瀬)