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「バーニングのドン」退任をスクープしたSPA!の報道と芸能メディアの「沈黙」

芸能事務所「バーニングプロダクション」の後継をめぐる「お家騒動」について、日刊SPA!が報じています。

周防郁雄バーニング代表(83)は、“芸能界のドン”ともいわれた人物。ジャニーズ事務所の影響力がなくなったあとでも、メディアに睨みをきかせてきたともいわれます。古い芸能界とメディアのもたれあいの象徴的な人物でもあります。

そんな中で、今回、芸能スキャンダル報道にはさほど強くないと思われるSPA!が、周防代表の退任と同時にバーニング側のトラブルを、ほかのメディアを差し置いてスクープしてきたのは、驚きました。しっかりと当事者に取材をした記事の内容はとても興味深いです。

この記事の翌日、文春オンラインも後追い記事を配信しています。ほかの芸能メディアは沈黙しています。

メディア業界のバーニングタブーについては、2017年にリテラがこんな記事を書いています。

記者もジャニーズやバーニングにもコレくらい聞けたら、認めるけど、弱小事務所の時はコレやもんなぁ~~

というSNS投稿を削除した田村淳さんによる

この仕事をしている者として、大変失礼で軽率なコメントを載せてしまい反省しております

という生々しいコメントが、当時の業界の体質を表しています。

そのころから、メディアの姿勢はどれほど変わったのでしょうか。

ジャニーズ性加害問題でも問われたのは、それを許容し、また報じなかったメディアの姿勢です。この問題を調査したジャニーズの第三者委員会の報告書でも「メディアの沈黙」として指摘され、テレビ各局は検証番組などで反省の姿勢を示しました。

しかし、大きな芸能事務所とのもたれあいや時代錯誤の悪習は、大きく変わっていないようにみえます。その後の松本人志さんを巡る報道や、最近話題になっている中居正広さんに関する問題も、そこが問われています。

「芸能界のドン」(こうした言い方は権威付けをしてあまりよくありませんが)の退任は、メディアの変化をさらにうながすことになるでしょうか(瀬)

このコラムは、あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしいという方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツなどをおすすめしています。