この50年間、JAROに寄せられた広告への苦情をまとめたサイトが公開
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JARO『苦情の50年史』
「うそ」「おおげさ」「まぎらわしい」のCMで知られる日本広告審査機構(JARO)が、設立50周年を記念して、この50年間に寄せられた苦情をまとめたWebサイト「苦情の50年史」を10月1日に公開しました。
これがメディアの歴史そのもので、見始めるときりがないほど興味深いサイトです。
業務を開始した74年度には寄せられた苦情は54件。それが毎年のように急増をつづけ、2020年度には過去最多の1万5100件を記録します。
JAROはこの50年を5つの期間にわけて、分析しています。74年からの10年間はほとんどが新聞広告に関するもの。内容も多いのは、不動産や食品の広告に対する苦情です。1984年度からはテレビが急増。さらに電話をつかった勧誘など、募集の広告に対する苦情が増加します。
1994年度からはバブル崩壊による失われた10年。消費者金融や保険業の広告への苦情が目立ちます。このころからネットサービスの料金や、あるいはメール広告への苦情も出始めました。
そして2004年度以降の10年は、折込広告による家電量販店やカー用品販売店などの専門店の苦情が目立った。「広告に掲載された商品がなかった」、「配送料無料とあったが請求された」などがそれ。この時期、2004年より2013年のほうが苦情が減っているのですが、リーマンショックや震災の影響で経済が低迷したことが原因だと分析しているところも興味深いです。
そして直近の2014年から、健康食品や化粧品といったインターネットの広告にまつわる苦情が、爆発的に増えているそうです。
50年の苦情を見ていくことで、メディアの変遷とともに人間の欲望の変わらなさを感じることができるサイトです(瀬)