見出し画像

【自民“第2の裏金”を追及する④】自民鳥取県連代表の石破首相と神奈川県連代表の小泉氏らを東京地検に刑事告発

自由民主党の鳥取県支部連合会(鳥取県連)と神奈川県支部連合会(神奈川県連)で浮上した“第2の裏金”とも言うべき疑惑に関連し、鳥取県連代表の石破茂首相と、神奈川県連の代表で自民党選挙対策委員長である小泉進次郎衆院議員らが10日、政治資金規正法違反容疑(不記載、虚偽記載)で東京地検に刑事告発された。

フロントラインプレス

告発したのは神戸学院大学の上脇教博之教授。

一連の疑惑は、調査報道グループ・フロントラインプレスの取材で明るみになった。

それによると、鳥取県連の関係では、県連から交付金を受け取った記録がある支部のうち、少なくとも22支部の計30件、総額128万8710円については、それらに対応する支出の記録が県連の政治資金収支報告書に記載されていなかった。そのため、支部側は“出所不明”の資金を県連から受領したかたちになっている。

同様に神奈川県でも、少なくとも計13支部が合わせて51件、総額698万7850円を神奈川県連から受け取ったにもかかわらず、神奈川県連の収支報告書にはそれらに対応する支出の記録がなかった。

自民党神奈川県連の政治資金収支報告書

こうしたことから、鳥取・神奈川両県の自民党支部が受け取った政治資金は、県連の帳簿に載っていないカネ、すなわち“裏金”だった可能性が出ている。

東京地検への告発状は「通常、『県支部連合会』から『交付金』を受けた側が虚偽記入することは考えられない」とし、交付金をもらった側の支部が虚偽記載をすることはないはずだと指摘。鳥取・神奈川の自民党県連は支部に交付金を渡したにもかかわらず政治資金政治資金に支出の事実を記載しなかったと結論付け、政治資金規正法の虚偽記載や不記載に該当するとしている。

告発対象には、それぞれの県連の会計責任者と事務担当者の計4人も含まれているが、告発状は一連の虚偽記載・不記載は会計責任者だけでは判断はできないと指摘。鳥取県連代表の石破首相、神奈川県連代表の小泉選対委員長が主導したのではないかと結んでいる。

神戸学院大学 上脇教博之教授

上脇教授は「フロントラインプレスの粘り強い調査には敬服した」としたうえで、「県連の支出が収支報告書に記載されていないということは、その原資も記載されていないことになる。裏金がつくられていることは間違いない」と強調した。さらに「自民党の2つの県連で同じような裏金づくりをしているとなると、全国の都道府県連でこの手口が共有されている可能性がある。この悪質な事件を放置でききないので告発した。東京地検特捜部はぜひ真相を明らかにして刑事事件として立件してほしい」と語っている。

スローニュースでは、自民党鳥取県連と、神奈川県連で明らかになった出所不明の交付金について詳しく報じています。

※トップの画像は自民党鳥取県連のHPと神奈川県連のXより