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なぜ政治マガジンは廃止されたのか、現場では何が起きているのか【NHK政治マガジンの興亡⑧】

6年の歴史に幕を下ろした「NHK政治マガジン」。話題を呼んだウェブメディアは最終的には「民業圧迫」の象徴とまで言われました。どのように生まれ、どのような役割を果たし、どうして廃止されたのか。その秘話を数回にわたってお届けしています。

最終回となる第8回は、なぜ政治マガジンは廃止になったのか、その背景を深く掘り下げます。

ジャーナリストの須田桃子さんが、ダイヤモンド・オンラインで『変局!岐路に立つNHK』を発信した下本菜実さんに聞いています。


政治マガジンはなぜ廃止されたのか

須田 さて、ではそろそろ、そんな政治マガジンがなぜ廃止に至ったのかということを聞きたいのですが。

熊田 本当ですよ。政治マガジンという取り組みにはNHK会長賞も出ているんです。それを否定してしまったとはどういうことなんでしょうね。それはぜひ、現在進行形で取材している下本さんにお願いします。

須田 下本菜実さんはダイヤモンド・オンラインで、『変局!岐路に立つNHK』という全8回の連載を書かれています。その第3回で政治マガジンだけでなくて複数のサイトが停止になった内幕を明らかにしています。

下本 4月27日発売の号で、特集をしました。NHKは前田体制から稲葉体制に代わって1年ということで、人事制度、給与制度の変更が動き出していて、それを追った記事です。

その中から、政治マガジンの終了に至るまでにネットワーク報道部の中で何が起こっていたかというところをお話しできればなと思っております。

3月29日で6つのサイトが閉鎖されました。政治マガジンだけではなく、事件記者取材ノート、国際ニュースナビ、サクサク経済Q&A、サイカルジャーナル、アスリート×ことばと、一斉に。聞いたところ、もともとは政治マガジンなど一部だけのはずが、一斉に閉鎖になったと。

3月7日に各部署に通達され、29日に配信停止になったというかなり一般企業だとあり得ないスピードで、閉鎖・撤収となりました。

なぜそんなに急いだのか、何がその裏にあるのか。

背景にあるのは放送法の改正。元々の放送法だと20条で、ウェブで配信されている情報は「理解増進情報」として、放送を補完する内容でした。それがデジタル受信料を受けるにあたり、デジタルを「必須業務」に格上げするという流れの中で、「放送番組と密接な関連を有する情報」に限定されるという枠組みになったということで、テレビで放送されている内容とウェブで配信する記事の同一性が重視されるようになったということで、独自の政治マガジンなどの記事は関連性が薄いとして廃止の流れになったといいます。

須田 文言だけ見ると、「密接に関連」ということですから、取材の背景はまさに関連のあることだと思うんですが。

下本 私もそう思うんですが、デジタルサイトを6つ維持するとなると、かなりの費用もかかるんですか?

熊田 立ち上げの時はかかりますが、その後のランニングコストはそれほどでもないんですよ。

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