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他国の軍隊が日本国内で軍事訓練をしていた!にわかには信じられないような主権を揺るがす事態のスクープ

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オランダ軍が県内で訓練 北部訓練場で米軍の日程に参加 識者「日米安保条約違反が常態化している」

日本国内で米軍以外の他国の軍隊が、日本側に知られることなく軍事訓練をしていた、なんてにわかには信じられませんよね。まるで出来の悪い陰謀論のように受け止めてしまうかもしれません。

ところが、そんなことが実際にあったんです。

オランダ軍の海兵隊が、沖縄県で軍事訓練をしていたのですが、日本の沖縄防衛局はオランダ軍が来日していたことさえ知りませんでした。

訓練は米軍の北部訓練場で行われ、米海兵隊の訓練プログラムに参加していたと沖縄タイムスの塩入雄一郎記者がスクープしています。

北部訓練場に違和感のある人たちが出入りしているという情報があり、海兵隊のSNSを調査したところ、オランダ軍海兵隊と米海兵隊が訓練しているという記述と動画が見つかったということです。(有料記事ですので、より詳しいことは本文の方で)

ちなみに、記事には「米第3海兵師団が公開した米軍北部訓練場での訓練の動画に映っていた、オランダ海兵隊とみられる隊員2人の背中」という画像が使われています。迷彩服の柄が見えるので、調査集団Bellingcatも利用している各国軍隊の迷彩パターンを収集したデータベース「Camopedia」で「オランダ軍」を見てみましょう。確かに似たようなものがありますね。私は専門家ではないので、明確にはわかりませんが。

SNSに出ているということは、米軍は日本側に知られでも問題ない、ということなのでしょうか。それとも、気づくこともないだろうということなのか。実際、この報道まで誰も気づかなかったのではありますが。

初報から4日後の5月2日には続報が発信されています。2022年にも、オランダ軍とイギリス軍が訓練プログラムに参加していたとか。常態化していたということなのでしょうか。

記事でも指摘されていますが、「在日米軍基地で米軍以外の他国軍が訓練することは日米安全保障条約で認められない」とされています。条約に違反するのはもちろんですが、日本の主権を米国がどう考えているのか、それが端的に浮かんでくるようなエピソードです。(熊)

(沖縄タイムス 2024/4/28、5/2)


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