「監察は調査するつもりは全くない」「内部告発されたら警備官みな追放」県警ぐるみの隠蔽を示唆する録音の内容を明らかにする
広島県警福山北警察署の警備課を舞台とした公金詐取事件(カラ出張)で、フロントラインプレスはカラ出張の口封じなどの様子を録音した音源を入手した。音源は複数あり、録音時間は計約5時間30分。その一部は5月28日のスローニュースで報じたが、今回はその内容をさらに詳しくお伝えする。
フロントラインプレス
広島県警の説明をくつがえす「口封じ」録音を入手
この問題の発覚の経緯について広島県警は、福山北警察署の警備課に勤務していた巡査部長・粟根康智氏(現在は退職)が在職中の2022年3月に行った内部告発(公益通報)によるものと説明している。これに対し、粟根氏は「その1年前に県警本部の監察官室に匿名の投書があり、内部で不正経理が露呈した。しかし監察官はカラ出張を指示していた警備課長に投書を見せたため、課長が課員の口封じに動いた」と説明している。
フロントラインプレスが入手した複数の録音は粟根氏の主張を裏付けるものだ。その1つが前回記事で紹介した2021年2月当時の録音。監察官室に匿名の投書があり、カラ出張の事実を県警内部で暴露された警備課長が課員の口封じに動く様子がリアルに残されている。
とくに問題なのは、警備課長が「監察官に投書を見せてもらった」と明言し、それに基づいて課員の口封じや関係書類の破棄に動いていることを自ら赤裸々に語っている点だ。
今回はその内容をさらに詳しく見ていこう。