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「内部告発があった」と会社にやってきた石川県の担当者、そして社長が打ち明けた担当者の驚くべき行為とは

企業や役所の不正が内部告発をきっかけに明らかになるケースは数多い。最近では、中古車販売の「ビッグモーター」をめぐる不正でも、従業員から損害保険の団体に内部通報があったことがわかっている。

一方で、内部告発者が不利益を被ったというニュースも社会には溢れている。勤務先の企業の不正を知ったとしても、多くの従業員は「報復」や「村八分」を恐れて沈黙するだろう。

だが、石川県に住む山川健太郎さん(仮名)は沈黙しなかった。しかし、告発状を受け取った当局が漏らしてしまうとは、夢にも思わなかった。

それから2年余り。山川さんは社長から驚くべき事実を聞かされる。


内部告発を石川県に漏えいした北陸農政局、そして県は信じ難い対応を

山川さんが公益通報者(内部告発者)になったのは、2021年4月である。当時、勤務先の企業と取引があった畜産業者らは農林水産省に補助金を申請しようとしていたが、その申請に不正があることを察知したのだ。山川さんは匿名ながら不正を証明する資料も添えて、「告発状」を北陸農政局に送った。

告発状を郵送した際の控え(撮影・加工:フロントラインプレス)

そして後日、山川さんは社長から「卑怯なやつは辞めてもらう」と言われてしまう。まさか、告発状を受け取った北陸農政局が「こんな内部告発がありましたよ」と、告発状の中身をそっくり石川県に漏えいしているとは思いもしなかった。

告発状の詳細な内容や添付資料が外部に漏れたら、告発者の身元はたちどころに判明してしまうからだ。それなのに、信じ難いことに、情報を知らされた石川県の担当者は「内部告発があった」と明言して、山川さんの勤務先に乗り込んできたのだ。 

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