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霊友会と関係深いNPOからの多額の広告費は記事の見返りだったのか~宗教とメディアの関係を問う

取材・執筆 フロントラインプレス

毎日新聞社が各支局などにニュースとして取材を指示していた「ナキワラ!」は、新興宗教「霊友会」の影響力が強い中学・高校生向けのイベントだ。実は、毎日新聞社は長年、ナキワラ!の主催者から広告費を受け取り、ニュース記事とは別に紙面でPR記事を制作してきた。

その金額は年間2000万円以上と見られ、毎日新聞社の関係者には「5000万円を下らない」という人もいる。他紙に比べて突出して多い毎日新聞のナキワラ!報道は、この広告費の見返りなのだろうか。


毎日新聞社と霊友会の関係はいつからか

ナキワラ!は、霊友会の強い影響下にあるNPO法人「ニューライフ・アドベンチャー実行委員会」(NLA委員会)が主催し、毎年、都道府県大会やブロック大会、全国大会が開かれている。イベントの様子は霊友会の月刊誌でも大きく扱われるなど、霊友会側はナキワラ!との関わりを特に隠そうとはしていない。

宗教団体との繋がりが深いこのイベントについて、毎日新聞にこれまでに340本もの記事を掲載してきた。他の全国紙は数本かゼロ。毎日新聞紙面での厚遇ぶりは際立っている。

この連載の初回でも触れたように、ナキワラ!は2004年にそれまで別々に行われていた「NLA全国高校生の主張」(旧・高校生の主張コンクール)と「NLA全国高校生音楽祭」を統合する形で始まった。新聞記事横断検索のGサーチを使ってナキワラ!以前のイベント取材記事を調べると、「ニューライフ」「アドベンチャー」「音楽祭」の3語検索で毎日新聞は218件ヒットする。やはり、他の全国紙より圧倒的に多い。「高校生の主張コンクール」「ニューライフ」「アドベンチャー」の3語で検索すると、他紙を圧倒する548件に達した(いずれも2024年1月5日現在、対象期間の設定なし)。

霊友会の公式ウェブサイトによると、同会は戦前の草創期に東京日日新聞社(現在の毎日新聞社)の本社前で、同社の許可をもらって募金活動を行っていたという。毎日新聞社と霊友会の関係がどの時点で深くなったのかは明らかではないが、上記の検索結果からは、遅くとも1987年には霊友会と深い関係にある若者向けイベントが毎日新聞紙上で報道されていたという事実が垣間見える。

毎日新聞東京本社ビル

2022年7月に安倍晋三元首相が殺害された事件をきっかけに、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治の癒着が問題になった。旧統一教会から支援を受けていた政治家の中には、「旧統一教会の関連団体とは知らなかった」と弁明する者も多く、そのことがさらに大きな反発を招いた。毎日新聞も「知らなかった」と弁明する政治家を批判していた。

2022年10月5日の社説では、旧統一教会との関係が次々と明らかになって説明が二転三転する山際大志郎・経済再生担当相(当時)に対し、「『ばれない限り隠したい』という姿勢は明白で、そこには自らの言動に対する責任感が全く感じられない」と切り捨てた。

その一方で、自社の記者たちには新興宗教団体の強い影響下にあるイベントを積極的に記事にするよう指示し、宗教団体との関わりが見えない記事を出し続けていたのである。

ここから先は会員限定です。PR記事にも霊友会との関係を出さない毎日新聞。果たしていくらの広告料を受け取っていたのか。

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