「裏金1500万円は高額で組織的犯行だ」一連の事件で初の不起訴不当の判断、世耕氏団体の会計責任者に…不起訴になった他の事件にも影響か
自民党安倍派(清和政策研究会)が政治資金パーティーの収入を裏金として各議員に還流させていた事件に関して政治資金規正法違反容疑(虚偽記載、不記載)で世耕弘成衆議院議員(和歌山2区)らが刑事告発されながら不起訴となっていた問題で、東京検察審査会は3日までに、キックバックを受けていた政治団体「紀成会」(資金管理団体)の会計責任者に対して不起訴不当の議決を出した。
一連の裏金事件で、検察審査会が不起訴不当を議決したのは初めて。
フロントラインプレス
不起訴になった他の裏金事件にも影響の可能性
議決は、安倍派による裏金事件を「組織的犯行」と断罪したうえで、1542万円の裏金を受領していた世耕氏側の不起訴について「一般市民の感覚からすればきわめて高額」として会計責任者の処罰を求めた。東京地検は今後、再捜査を迫られる。世耕氏本人と事務担当者は不起訴相当だった。
世耕議員の会計責任者に不起訴不当の議決が出たことで、今後、不起訴になっていた議員のうち、世耕氏を上回る2403万円を受領していた山谷えり子参院議員、2057万円の橋本聖子参院議員らの会計責任者にも同様の議決が出る可能性がある。
自民党の前参議院幹事長だった世耕氏は、安倍晋三元首相(故人)の側近として知られ、官房副長官や経済産業大臣を歴任したが、裏金問題で離党。この10月に行われた衆院選に参院から鞍替えして無所属で和歌山2区から出馬し、政界の実力者だった二階俊博氏(引退)の息子を退けて当選した。その後、衆院会派「自民党・無所属の会」に入会し、野党から強い批判を浴びている。