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「有名な日本人を紹介してくれ」 27歳中国人社長から持ちかけられた「動画案件」

                                                                    伊藤喜之(ドバイ在住ライター)

「ラッフルズ・ドバイ」(同ホームページから)

莉子やダイヤと初めて会ってからちょうど1週間が経った。待ち合わせたのは、ドバイの五つ星ホテル「ラッフルズ・ドバイ」だ。

最上階の17階には、本格的な寿司やすき焼きなどが食べられる日本料理店「TOMO」がある。和食の店はドバイでも近年増えているが、会食後にドバイ最大の中国人コミュニティがあるインターナショナルシティに移動する可能性もあると思い、そこから比較的近い、この店を選んだのだ。

 莉子とともに現れた中国人社長のO氏は、27歳だというが、高校生のように若く見えた。身長160cm台ほどと小柄なのだが、全身ハイブランドと一目で分かるギラギラした格好をしていた。

ホテル玄関で出迎えた際にO氏自ら運転してきたのは、日本の市場価格なら3000万円はするメルセデスベンツの高級SUV、G500だった。会社の経営は順調なのだろう。かなりの羽ぶりの良さがうかがえる。

O氏は取り巻きから「老ちゃん」と呼ばれていた。O氏の様子で何か既視感があると思い、少し考えてから気づく。そう、ドバイモールでよく見かけるようになった中国系の若者たちと雰囲気が同じなのだ。ブランド服を着飾るが、垢抜けた感じがしない、あの「チグハグ感」がO氏にもある。

日本人とのコネクションをつくりたい

会食には前回も会ったダイヤ、彼女の交際相手の中国人インフルエンサーに加え、O氏の共同経営者というJ氏(33)と私の友人であるコンサルタント業を営む日本人男性Hさんも合流した。日本のビールで乾杯し、さっそく来歴などを尋ねることにした。通訳を買って出てくれたのは莉子だ。

「変なこと記事に書かないでくださいよ」

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