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犯人に刃物で刺されながら生徒を守った教師への教育委員会の冷淡な対応

膨大なニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

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あの日、教室で…生徒守り負傷の男性教諭、教壇復帰も残るまひ 同僚も心に傷/戸田・中学校刺傷(上)

試験中の中学校に侵入した不審者に刃物で刺されながらも、生徒たちを逃がすために羽交い締めにしようと立ち向かった勇敢な教師。他の教師もかけつけ、犯人を取り押さえることができたものの、自身は何ヶ所も切り付けられ、重傷を負いました。

その後、8時間に及ぶ手術や入院を経て学校に復帰したものの、いまも左手にまひが残っているといいます。

しかし、驚くのは、その後の埼玉県教育委員会のあまりに冷淡な対応です。

「労災の対象は症状が固定するまでの治療費などで、それ以外は民事。自分で加害者と示談の交渉をしてもらうしかない」という説明だと、埼玉新聞は報じます。

今年3月に戸田市の公立中学校でおきた少年による傷害事件。その被害者たちの苦しみと困惑を、埼玉新聞が特集企画として追いかけています。

公務で負傷をおった教師を守れない教育現場、被害者救済の仕組みの脆弱さといった課題を浮き彫りにします。

埋もれがちな事件のその後にスポットライトを浴びせる、地方紙ならでは強みをいかした取材記事です。

それにしても、命をかけて子供たちを救った教師すら守ることができない学校の現状には、やりきれなさを感じます。(瀬)

(埼玉新聞 2023/7/16)

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