見出し画像

障害ある人が立候補すると介助サービスが受けられなくなる!?とんでもない「障壁」の存在

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、社会の制度の矛盾を突いたコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

「なぜ僕だけが‥」選挙に挑戦した脳性まひの男性に立ちはだかったのは

障害のある人が議員になることで、議場がバリアフリーになったり、国会でも介助者が代わりに投票することが認められたりと、さまざまな施策が取られるようになりました。

その一方で、いまだにこんな制度の落とし穴があったなんて驚いたのがこちらの記事です。

愛知県議会議員選挙に立候補した35歳の加藤啓太さん。脳性まひで重度の障害があります。

一時は「生きられて5年」と言われた状態から回復訓練に取り組み、電動車いすで生活できるようになったといいます。2012年のロンドンパラリンピックにも出場。そんな加藤さんが、障害者支援のためには政治への働きかけが必要だと考えるようになり、立候補しました。

ただ、加藤さんには24時間の介助が必要です。ところが、立候補に当たって名古屋市に問い合わせたところ、大きな壁があることが判明。

・選挙運動は「社会通念上適当でない外出」に当たるとされ、公的な障害福祉サービスが受けられなくなる

・ならばと自己負担でヘルパーを依頼しようとすると、公職選挙法でヘルパーは報酬を支払える対象にはなっていないため、「運動員の買収」と見なされるおそれがある

加藤さんは仕方なく、選挙運動では両親や知り合いにボランティアとして介助をお願いしたということです。

これ、逆に言えば、頼れる家族などが身近にいない限り、介助が必要な障害者は立候補さえ難しいということですよね。とてつもなく大きな「障壁」です。

この記事、最近になって読まれ始めているということです。多くの人が関心をもち、「障壁」が取り除かれるよう願ってやみません。(熊)

(NHKみんなの選挙 2023/5/19)