
災害前線報道ハンドブック【第2章】避難フェイズ⑤自治体が陥る仮設住宅での「神話の妄信」とは何か
スローニュース 熊田安伸
仮設住宅への入居をめぐる問題点については、前回詳しく説明しました。ではいざ入居した後には、どんなことが取材のポイントになるのでしょうか。最も警戒すべき事態が、「仮設住宅での孤独死」の発生です。それをよく検証していくと、先進的な取り組みをしていたはずの自治体で、実は過去の「神話」にとらわれて、おざなりな対策がとられていたことが見えてきます。
わずか4カ月で起きてしまった孤独死
仮設住宅の取材を担当する記者たちに、いつもデスクとしてお願いしていたことがあります。「申し訳ないが、これだけは絶対に落とさず、情報を取ってくれよ」と常々言っていました。
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