【スクープ】公費でまかなわれる選挙ポスター代を受け取った業者が、発注した政治家に献金…これでは「公費の還流」だ!有名政治家に続々と
候補者のポスターやビラなどを公費で賄う「公営選挙制度」の下、ポスター印刷などを請け負った業者がその選挙運動期間中(投票日翌日を含む)、候補者側に政治献金する例が多数存在することがわかった。
2021年の前回衆院選では、牧原秀樹法相(埼玉5区)や平将明デジタル相(東京4区)、立憲民主党の小川淳也幹事長(香川1区)らがこのケースに当てはまる。
請負業者が候補者側に献金することに違法性はないが、選挙に関して公費の仕事を請け負った業者から選挙戦のさなかに寄付を受け取る行為は“公費の還流”との見方もでき、研究者からは「有権者の理解は得にくいだろう」との指摘も出ている。
フロントラインプレス
選挙のポスター代は公費でまかなわれる
選挙公営制度は、資金力の有無にかかわらず選挙に立候補できる機会を設けるため、ポスター代などの一部を公費で賄う仕組み。運用の細目は公職選挙法や関係法令、条例で規定。候補者は、供託金没収点(衆院小選挙区の場合は相対得票率10%以上)をクリアした場合にこれらの費用を選挙管理委員会に請求できる。
今回の調査は、日本大学法学部の安野修右研究室とフロントラインプレス、スローニュースの三者がつくった「選挙運動費用データベース」をもとにして、2021年衆院選の選挙運動費用収支報告書を分析。各候補が代表を務める選挙区支部(政党支部)の政治資金収支報告書と突き合わせるなどして取りまとめた。
それによると、ポスターなどを受注した業者が候補者に寄付する例は多数確認できたが、今回は選挙後に引退したり死去したりした人を除いたうえで、「選挙期間中(投開票翌日を含む)の寄付」を抽出した。
金額で目立ったのは、当選9回のベテラン棚橋泰文氏(自民党、岐阜2区)だ。