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一般道を120キロで暴走し、9歳の女の子を死亡させた医師が執行猶予判決になったのは「フェラーリ」だからか

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一般道120キロ爆走で女児死亡させた医師に「執行猶予」、なぜ高級スポーツカーの運転手に“大甘判決”がまかり通る

 6月4日、広島地裁福山支部がくだした自動車事故の判決が話題になりました。

2022年6月、福山市の医師が所有するフェラーリで制限速度50キロの市道を時速120キロという異常な高速で直進、右折してきた軽自動車と衝突して引き起こした事故です。この事故で軽自動車に乗っていた当時9歳の女の子が死亡、運転していた祖父も重症を負いました。医師に怪我はありませんでした。

異常な暴走行為が引き起こした事故について、裁判所は過失運転致死傷の罪で、禁錮3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡したのです。執行猶予の場合、その期間がすぎれば、医師免許の再登録も可能になります。

そもそも警察は危険運転致死傷罪で送検しましたが、検察はより罰則の軽い過失運転致死傷罪で起訴、そして判決は執行猶予付き。なぜこれほど悪質で危険な運転をしても、こんなに罪が軽いのか。

実は、こうした判決が各地でおきていることを、ジャーナリストの柳原三佳さんが遺族などにも取材をし、その無念の思いとともに記事にしています。

柳原さんは、こうした高級車が一般道を暴走し、死亡事故をおこしながら、危険運転致死傷罪で起訴されないケースを取材してきました。2021年に大分市で一般道を194キロで暴走し、事故で50歳の男性を死亡させたケースもそのひとつです。

この事件では、過失運転致死での在宅起訴に納得できない遺族が署名運動をし裁判所に提出、地検は危険運転致死への訴因変更をすることになりました。

柳原さんは常軌を逸したスピードでの暴走が「危険運転」ではなく、あくまで過失とされる背景について、過去の法務副大臣の国会答弁をもとに、「車両の構造性能」、つまりフェラーリやBMWなど高級乗用車は250キロ以上のスピードメーターが刻まれていることが、罪状や判決に影響をしているのではないか、という指摘をしています。

もしスピードを出させる輸入高級車だから、結果として罪が軽くなる、というのであれば、それは本末転倒というしかありません。

いずれにせよ、一般道で時速120キロという速度を出し、死亡事故を起こしても「過失」と判断され、結果的に執行猶予付きの判決が下されるのは、一般の感覚からはズレている。法のあり方を見直すべきだ。ーーこれまで数多くの交通事故、裁判、遺族を取材してきた柳原さんの主張は、説得力があります(瀬)

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