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政治家の表面的な訂正をただ伝えるのではなく、調査報道で深堀り。二階氏書籍の「裏金購入」とその行方を追ったTBS報道特集

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

二階俊博元幹事長の“裏金問題” 『義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)』3500万円分の書籍の行方【報道特集】

自民党を揺るがしているパーティ券収入の裏金化問題。中でも5年間で3526万円の不記載が発覚した二階俊博・元幹事長が最多です。

その裏金の使途として、3500万円分もの書籍を購入したと政治資金収支報告書を訂正したことが話題となりました。

しかしどういう経緯で書籍を大量購入し、どこに配られていったのか。TBSの報道特集が徹底追跡したところ、想像を超える怪しい構図が浮かび上がりました。

書籍のうち最も支出額が多かったのが、『ナンバー2の美学・二階俊博の本心』という本。出版社を取材したところ、本を監修した人物が「自分が大量に買い取る」と提示したので出版することになったという経緯が明らかになりました。政治家の本ってよほどのことがないと売れませんからね。

二階氏は5000冊分の代金1045万円を本の監修を務めた人物の会社宛てに振り込んだとしています。その会社は出版社から割引価格の 約815万円で購入しているので、差額230万円は果たしてどうなったのか。これも謎です。

そしてそもそもこうして購入した書籍はどこに行ったのか。

二階氏の事務所は選挙区外の人に配ったとしていますが、実際には多くの書籍が二階氏の選挙区である和歌山県御坊市に送られ、選挙区内で配られていました。受け取った人たちが証言しています。

これ、かつて地元の有権者にメロンを配って問題になった菅原一秀経済産業相や、うちわを配った松島みどり元法相と同じ行為ですよね。番組の中で神戸大学の上脇博之教授が指摘しているように、公職選挙法で禁止された選挙区内の人への寄付行為に当たります。

では本当に、使われたのは「裏金」だったのか。番組はさらなる疑惑を提示しますが、そちらはぜひ本編で見てください。政治家の表面的な訂正をそのまま伝えるのではなく、きっちり深堀りした調査報道でした。TVerやTBS報道特集の見逃し配信で、4月7日12時まで見られます。(熊)

(TBS報道特集 2024年3月30日)