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「仮想通貨を奪われた中国人が砂漠に埋められている」 ドバイで耳にした不穏な噂

                                                                    伊藤喜之(ドバイ在住ライター)2020年8月、私は新聞社の特派員としてドバイに初めて降り立った。
当初から気になっていたのが、UAE国内における中国の存在感だ。

ドバイのマリーナ地区のビル群。ドバイでは、多くの中国企業がビルやホテルの建設を請け負っている(2022年2月撮影)

UAEでは周辺の砂漠(土漠)を開発する形で、首都のアブダビや商都のドバイをはじめとした都市が拡張し続けているが、あちこちで中国企業が請け負うビルやホテルなどが建設されている光景がある。工事現場の横断幕に漢字で「中国○○公司」などと企業名が書かれているので、分かるのだ。

UAEは中国の「一帯一路」構想の参加国であることもあり、多くの中国資本がインフラ開発などのために流入していた。2020年当時で、ドバイを含めたUAE全体での中国人の在留人口は約21万人と公表されており、「中東最大の中国人コミュニティ」という。日本人の在留人口(在留届ベース)は4千人足らずだから、歴然とした差がある。

新聞社を2022年8月末に退職し、私はドバイを拠点にするライターになった。

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