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「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏の『利益相反取引』をプロパブリカが秘密資料で暴いた

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ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイが売買していた株をどのように私的に取引していたか

米国の調査報道NPOプロパブリカは、11月9日、「投資の神様」ウォーレン・バフェットが自らが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの保有する銘柄を個人口座で売買していたと報じました。利益相反や法令順守違反の可能性があることを指摘しています。

バフェットは以前から、このような取引は利益相反になると公言し、バークシャーの方針でも禁止されています。しかし、プロパブリカが入手した内国歳入庁(日本の国税庁に相当)の機密記録によると、彼は少なくとも3回、バークシャーが取引していた株数百万ドル相当を売却しています。

また、2009年にはバフェット氏は米経済誌のインタビューで米銀大手ウェルズ・ファーゴの経営を称賛し、株価が上昇した数日後に同銀行の株20億ドル相当を売却したことも、この記事は明らかにしています。

バフェットはこれまで、「バークシャーが買っているものを私が買うわけにはいかない」と明言してきました。

バークシャーが大きく株を買えば株価が上がる傾向があるため、バフェット個人がその前に株を変えばほかの株主より大きな利益を得るからです。

バフェット自身が作成したバークシャーの倫理方針でも、このような取引は認められていません。

「投資の神様」がなぜこのような取引をしてきたのか。プロパブリカならではの調査報道が光ります。(瀬)

(Propublica 2023/11/9)