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481人の子どもたちの死亡例を検証、3割は「救えたはずだった」という県も

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

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子どもの死因究明、再発防止へ 7府県、481人検証

「チャイルド・デス・レビュー(CDR)」とは、子どもの死因を医療、教育、福祉、行政、警察といったさまざな分野が垣根を越えて情報共有し、検証して再発防止策につなげようという制度です。

共同通信が国のモデル事業に参加した7府県の、昨年度までの3年分を調べたところ、少なくとも481人の死亡例を検証対象としていたことが分かりました。このうち群馬県と三重県は、「防ぎ得た死亡例」が3割台に上ったと回答したそうです。

1970年代にアメリカでスタートしたこの制度、日本では国が主導するモデル事業が2020年度に始まったばかりです。

上記の共同通信の記事では、検証の具体的な内容などについては言及されていませんが、調査報道グループ・フロントラインプレスが日本各地や世界での事例を取材した詳しいリポートを、『チャイルド・デス・レビュー 子どもの命を守る「死亡検証」実現に挑む』(初出はスローニュースで連載)で読むことができます。

3人に1人が「救えたはずだった」というのは極めて重い結果です。こども家庭庁がこの先、どのように導入を進めていくのか、注目しています。(熊)

(47NEWS 2023/9/3)
(旬報社 2022/11/25)