がん新薬誕生 第4回 甲状腺がん治験第三相
取材・執筆:下山進
甲状腺はヨウ素をとりこみ甲状腺ホルモンとして分泌する器官だ。だからそこが「がん」におかされたときには、ヨウ素131を飲む治療が行われる。ヨウ素131は、半減期が7日で、その際に微弱な放射線を出す。この放射線を使ってがんを叩くというわけだ。だから、この治療をうける患者は、アイソトープ室という鉛の壁で覆われた放射能を外に出さない病室で、3、4日過ごす必要がある。
パリ南大学の難治性甲状腺がん関連センターの医者マルティン・シュルンベルジェにとっても、第一