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ジャニーズとメディア

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ジャニー喜多川氏による性加害が野放しになってきたのは、メディアがそれを看過してきたからでもある。テレビ局だけではなく、新聞、出版にもおよぶジャニーズのメディアコントロールの手法と…
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#調査報道

ジャニーズ事務所による「訴訟を濫用した報道への威嚇」がなぜ問われないのか…日本の司法界の死角、世界では大問題に

ジャーナリスト 澤康臣 ジャニー喜多川の性加害をメディアが取り上げてこなかった問題は深刻だ。ジャニーズ事務所「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査報告書は性加害の「背景」として「マスメディアの沈黙」を挙げた。報道に関わる者なら真剣に受け止め、自問し是正しなければならない。 だが、前検事総長で弁護士の林眞琴が指揮した同チームの報告書には「死角」がある。 報道の沈黙に司法界が果たした役割だ。名誉毀損訴訟を起こされ、ダメージを受けかねないとの不安が、メディアを鈍らせた面

ジャニーズとメディアの関係、検証の「はじめの一歩」がようやく…メディア各社はどう向き合っていくのか

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 “ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのかNHKが昨夜、クローズアップ現代でメディアとジャニーズ事務所との関係性を問う報道を発信しました。NHKの芸能番組の元幹部をカメラの前に連れてきてしゃべらせ、民放も含めて関わってきた数十人に話を聞き、なぜ

週刊文春だけが「性加害問題」を追い続ける出版業界とジャニーズの関係は変わるか

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、ぜひ読んでほしいコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 BBC「性加害報道」後もジャニーズが講談社にかけてきた「圧力」ジャニー喜多川氏の性加害は国連人権理事会から指摘を受けるほどの問題になっていますが、いつもは芸能界のスキャンダルに熱心な週刊誌が、週刊文春以外、ほとんど沈黙しています。 いまだ出版界におい

朝日新聞社内でジャニーズ報道を仕切る「ジャニ担」の影響力

伊藤喜之(ノンフィクション作家) 大手メディアがジャニーズ問題について振り返るのはやはり限界があるのか。そう思わざるを得ない出来事だった。 今年4月のカウアン・オカモト氏による外国人記者クラブでの会見以降、新聞メディアの中では比較的手厚く問題を報じ続けている朝日新聞は6月29日付の朝刊第三社会面で、不定期でメディアの問題を扱う企画「Media Times(メディアタイムズ)」でジャニーズ問題とメディアの関係について特集した。 ジャニー喜多川氏による性加害が野放しになって