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ジャニーズとメディア

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ジャニー喜多川氏による性加害が野放しになってきたのは、メディアがそれを看過してきたからでもある。テレビ局だけではなく、新聞、出版にもおよぶジャニーズのメディアコントロールの手法と…
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2023年9月の記事一覧

SMAPをめぐる勢力争いが加速させたジャニーズの「テレビ局支配」

伊藤喜之(ノンフィクション作家) ジャニー喜多川氏の性加害問題で、再発防止特別チームによる報告書を受け、9月7日、ジャニーズ事務所がついに会見を開いた。欠席の意向も報道されていた藤島ジュリー景子前社長も登壇したことは、創業家一族がほとんど公に姿を現さず、閉鎖性が指摘されてきたジャニーズ事務所がこれまでになく追い詰められた証左でもある。 会見で、ジュリー氏らはジャニー氏による性加害を認め、謝罪・補償に法的責任を超えて応じる姿勢を見せた。これ自体は評価できるが、発表した新体制

ジャニーズ事務所による「訴訟を濫用した報道への威嚇」がなぜ問われないのか…日本の司法界の死角、世界では大問題に

ジャーナリスト 澤康臣 ジャニー喜多川の性加害をメディアが取り上げてこなかった問題は深刻だ。ジャニーズ事務所「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査報告書は性加害の「背景」として「マスメディアの沈黙」を挙げた。報道に関わる者なら真剣に受け止め、自問し是正しなければならない。 だが、前検事総長で弁護士の林眞琴が指揮した同チームの報告書には「死角」がある。 報道の沈黙に司法界が果たした役割だ。名誉毀損訴訟を起こされ、ダメージを受けかねないとの不安が、メディアを鈍らせた面

ジャニーズとメディアの関係、検証の「はじめの一歩」がようやく…メディア各社はどう向き合っていくのか

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。 きょうのおすすめはこちら。 “ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのかNHKが昨夜、クローズアップ現代でメディアとジャニーズ事務所との関係性を問う報道を発信しました。NHKの芸能番組の元幹部をカメラの前に連れてきてしゃべらせ、民放も含めて関わってきた数十人に話を聞き、なぜ