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研究費の配分は「選択と集中」よりも「広く浅く」が効果的という分析

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ノーベル賞級の研究成果やイノベーションの創出を促す研究費配分を解明

「高額な研究費を少人数に集中して投じるより、少額を多くの研究者に配分するほうが画期的な成果を効率良く出せる」との分析結果を、筑波大、弘前大の研究チームが発表しました。

同チームは、生命科学・医学分野に配分された 1991 年以降の科研費すべてを対象に、研究費と研究成果(発表論文数、萌芽的トピック創出数、ノーベル賞級トピック創出数)との関係を網羅的に調査しました。

その結果、研究者にとっては高額な研究費を得るほどより多くの研究成果を創出できるが、5000 万円以上の高額金額帯になると、研究成果の創出が横ばい状態に達すること、500 万円以下の少額研究費を多くの研究者に配る方が、高額な研究費を限られた研究領域の限られた研究者に配るより効果的とということがが明らかとなりました。

政府は研究費について「選択と集中」を進めている中、「広く浅く」配分する方が効果的という研究は、とても気になります。

詳しくは こちらから。(瀬)

(TSUKUBA JOURNAL 2023/8/22)