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岐阜県で唯一の百貨店がなくなる「最後の一日」を追いかける地元紙が拾った『ホンネ』

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岐阜高島屋最後の日、柳ケ瀬の様子は【タイムライン】

全国で地方中核都市からの百貨店撤退の話題が続きます。岐阜市も岐阜高島屋(岐阜市)が7月31日に閉店。岐阜県は、山形県、徳島県、島根県につづいて、百貨店がない県になりました。

岐阜高島屋、最後の一日をタイムラインで追いかけた岐阜新聞の記事が、旧繁華街でありながら百貨店を失う柳ヶ瀬の雰囲気をよく伝えています。

読んで印象的なのは、地元の方の思い出もあるけれど、やはり食料品売場を惜しむ人が多いこと。百貨店の魅了が高級品よりもデパ地下に変わっていることを感じさせます。

また、閉店を知らなかったという市内の子供連れ女性の声もリアルです。

 「母が高島屋の今川焼(大判焼き)を好きで、買いに来たけど1時間待ちなので諦めました。小さい子たちもいるし」。

この方は、柳ヶ瀬からは足が遠のいているそうで、やはり人の流れが変わっていることが伝わります。高齢者や近くの商店街の方には深刻だったり、残念だったりするけれど、若い世代にとってはあまり関係ない感じなんですね。

地方紙らしい地元に根ざした視点でありながら、閉店を惜しむという「エモい」だけではなく、こうしたクールな声も拾って現実を伝えるバランスのよい記事でした(瀬)