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Twitterでなぜヘイトが放置されていたのか、どういう基準で削除されたのか、新証言で明らかに
現在の「X」こと、旧「Twitter」。日本でのマンスリー・アクティブ・ユーザー(MAU=月に1回以上利用する人の数)は6000万人を超え、その影響力も絶大なSNSだ。しかしその内部では、一部のメディアを優遇して表示する措置が取られていたことを、内部の証言をもとに前回の記事で明らかにした。
ではもう一つの疑問、「なぜヘイトが放置されているのか、どういう基準で削除しているのか」についてはどうだったのだろうか。今回はその真相を明らかにする。
スローニュース取材班
ヤバい書き込みを、誰がどう削っていたのか
まず気になるのは、Twitterの投稿を誰が監視し、どのように対応していたのかということだ。
結論からいうと、Twitter Japanは監視はしてはいるものの、彼らだけで全ての問題に対応できているわけではなかった。
「監視」はJapanを含めた日本語が理解できる社員たちが分担して24時間体制で行い、問題への対応はあくまでオープンにされているポリシーにに従って作業していたという。
判断しきれない難しい問題や微妙な案件があると、グローバルのポリシー担当者の意向とすり合わせる必要があった。相談しながら対応を進めたという。
そのポリシーを策定するのもグローバルの担当者の役割だ。頭脳である彼らは、必ずしもジャーナリストとしての経験があるわけではない。法律の専門家や、アカデミックな分野から来た専門家もいたという。
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しかしそんな「頭脳」を通しても、明らかなヘイト発言の投稿に対して「ポリシーに違反していない」という回答があり、そのまま削除されなかったケースがあったのはご存じだろう。
なぜそんなことになっていたのか。それを解き明かすヒントになるある記事が存在している。
「沖縄差別」はどう判断されたのか
それが琉球新報がおととし、2022年の2月に発信したこちらの記事だ。
ポイントだけかいつまんで説明すると、こういう内容だ。
沖縄県民に対して「土人」などと表現する書き込みについて、通報しても「ポリシーに違反しない」などとされ、削除されないケースがあった。そこで記者がTwitterに問い合わせたところ、広報の担当者6人が出てきて、こんな説明をした。
●通報がなくても、攻撃的な投稿の65%はシステムで検知
●24時間365日の体制でチームが審査
●攻撃対象が個人なら厳しく対処するが、誰を指すのかあいまいな場合、判断が分かれる可能性がある
●悪用されると言論弾圧につながるのでケースバイケースで判断
Twitter側としては、かなり踏み込んで説明しているほうだろう。実際、関係者によるとここまで直接説明するのは異例のことだったという。
この琉球新報の記事が大きなヒントになるのではないか。背景事情を知れば、当時のTwitter Japan内でどのような対応が取られたのかが分かるのではないか。そう考えて関係者に取材を進めたところ、意外な事実が明らかになった。
ここから先は会員限定です。Twitterの内部ではヘイト発言の投稿をどう扱っていたのか。そして「削除」されたように見える投稿が、実はそうではなかったことも明らかに。