見出し画像

空き家を取材していたら中から刃物を持った不審者が出てきた!…空き家でいま何が起きているのか、その最前線

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうは特別編。問題になっている「空き家」の最前線を知る記事をまとめてみました。

別荘の“空き家”問題を取材中に刃物を持った不審者に遭遇…警察が包囲する緊迫の瞬間

バブル期に人気を博した、茨城県鉾田市の別荘地。しかし今や空き家が目立ち、問題になっているそうです。

FNN「めざまし8」の取材班が現地を取材していたところ、中から刃物を持った男性が出現。「30年住んでいる」と話していましたが、連絡を受けた所有者が通報し、警察が駆けつける事態に。

いま、こうした別荘の空き家に、不法侵入して寝泊りしているケースが起きているというのです。

「不動産バブル崩壊」報道に右往左往する人が知らない、本当に大事なこと

問題となっている空き家。こちらのダイヤモンドオンラインの記事のように、当初予想されていたほどには急激に増えているわけではないという専門家の指摘もありますが、増えていること自体は事実。私の自宅や実家のそばにも「地震があったら崩れて周囲の家に被害が出るのでは」「不審火などがあったら心配だ」と、近所のみんなが危険視している空き家が数年前に出現し、身近な問題だと感じるようになりました。

この記事では、国土交通省の調査を引用して、「空き家を保有する人の約60%が、空き家にしておく理由を「物置として必要」だからだと説明していた。持ち主不明のまま朽ちていく物件ばかりではないのだ」としています。確かにそういうケースも多いのかもしれませんが……

更地にすると固定資産税3倍も!?

一方で、世田谷区の調査によると、空き地が放置される理由は「更地にすると固定資産税が上がる」が最も多かったと、日本テレビが報じています。住宅が建っていると、税金の優遇措置があるからなんですね。

しかし、そんなことも言っていられなくなりました。「空家等対策の推進に関する特別措置法」が改正されたからです。

固定資産税が「6倍」になる!?「空き家」を持ち続けてもデメリットしかない件

そもそも、2015年にできたこの法律で、放置すると倒壊の危険などがある家は「特定空き家」として、撤去できることになりました。

今回の改正では、こうした「特定空き家」になるおそれがあるとされた段階で、「管理不全空き家」として固定資産税の減額が解除されることになったのです。最大で固定資産税が6倍になるケースも出てくるといいます。

税負担が増える!? 実家を「管理不全空家」にしないための方策とは?

これは大変。私も岐阜にある実家は、両親が生涯を終えた後は3人兄妹の誰も住む予定がありません。「管理不全空き家」にしないためにはどうしたらいいのか、こちらのNHKの記事で、ポイントが解説されています。

注目の「空き家問題」解決策 活用するより更地にした方がいい?

ただ、実際には、周囲に迷惑をかけるぐらいなら税金がかかってでも取り壊したいという人が多いと指摘するのが麗澤大学の宗健教授です。

日経ビジネスの少し前の記事ですが、独自の調査の結果、「取り壊そうと思っても、取り壊すためのお金が工面できない」という質問に対し、「とてもそう思う」が19.6%、「ややそう思う」も36.4%で、あわせて56%を占めました。解体費用が一番のネックになっているということですね。

そのうえで、地方の自治体においては、いま盛んに言われている利活用が本当の解決策なのかと疑問を投げかけています。

“空き家”を眠らせるな! 〜驚きの活用法〜

いやいや、やはり利活用の方法を探るべきだと、テレビ東京が「ガイアの夜明け」で特集していました。

官民一体で都心の空き家の利活用を図ろうというデータベースを使った新サービスや、地方の空き家をリフォームして賃貸料を得ようという個人投資家の動き、それに生活雑貨の「無印良品」の経営会社が、リフォームから家具や家電、食器までそろえて魅力的な住まいに再生させる取り組みを紹介しています。

今回紹介した以外にも、相続の問題で空き家が解消しないケースなども数多くあり、抜本的な解決策はまだ見いだせていません。とにかく、私も実家を今後どうするか、改めて両親や妹たちと話し合っておこうと思います。(熊)

(FNN めざまし8 2023/10/24)
(ダイヤモンドオンライン 2023/9/14)
(日テレ みんなのギモン 2023/4/22)
(THE GOLD ONLINE 2023/10/23)
(NHK みんなでプラス 2023/5/29)
(日経ビジネス 2021/12/3)
(テレビ 東京ガイアの夜明け 2023/6/23)

※サムネイルは実際に近所の人が困っている空き家ですが、紹介の記事とは関係のないイメージです

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!