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「結局全部他人事なんだよ」 議論をよんだ日精協会長インタビュー

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身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら…


先週、ネット上で議論沸騰した日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長のインタビュー記事。

「地域で見守る? 誰が見てんの? あんた、できんの? きれいごと言って、結局全部他人事なんだよ」

「変わんねえよ! 医者になって60年、社会は何も変わんねえんだよ。みんな精神障害者に偏見もって、しょせんキチガイだって思ってんだよ、内心は」

という露悪的ながら当事者性を呼びかける発言が、読む側にも訴えてきます。「本音」として支持する声もある一方で、現場の医師からの反論もありました。

記者の木原育子さんは社会福祉士の資格を持ち、精神医療の問題を取材してきました。その背景が緊張したインタビューを生んだのかもしれません。

内容とは別に気になったのが表現スタイル。この記事が読まれたのは、山崎会長も語り口が生きているからでしょう。

雰囲気を含めた情報量が多かったのです。せっかくなので、質問者が「だ・である」調をやめたほうが、記者のスタンスも伝わるのではないでしょうか。

新聞では質問者が「だ・である」回答者が「です・ます」、あるいはその逆というのもよくあります。

ネットもふくめて紙面の文字数という制限から開放されたいま、表現のスタイルも議論してもいいのではないでしょうか。(瀬)

(東京新聞 2023/7/7)

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