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伊東豊雄「私の履歴書」が明かす国立競技場コンペの内幕

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伊東豊雄(28) 国立競技場
2度のコンペティション 木の列柱提案、8点差で敗退

日経新聞の名物連載、「私の履歴書」。今月はプリツカー賞など数々の賞を受賞した日本を代表する建築家の伊東豊雄さんですが、その回想録は毎回、興味津々です。

特に連載28回目で明かした、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」のメインスタジアムである国立競技場のコンペティションの内幕は圧巻でした。

伊東さんのチームはこのコンペに2度挑戦し、最初はザハ案に破れ、それが見直しとなって行われた2回目で現行案に僅差で負けました。

どういう経緯で応募し、絶対の自信をもった案がなぜ落選したのか、その経緯を伊東さんが振り返っています。

これを読むと、日本のコンペが抱える問題点が、いくつも明らかになります。

最後に伊東さんは、日本の創造行為に対する支援の貧弱さを嘆き、このような状態では才能ある若い建築家が育たないのではないか、と懸念しています。(瀬)

(日本経済新聞 2023/7/10)
※サムネイルの画像の出典:日本スポーツ振興センター(JSC)