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関西で愛された作曲家、キダ・タローさんの知られざる生涯と秘めたる意地

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「浪花の全身作曲家」キダ・タローが明かす数奇な人生

『「浪花のモーツァルト」の愛称で親しまれた作曲家のキダ・タローさんが14日亡くなりました。93歳でした』

ーーNHKが「浪速のモーツァルト」という御本人得意の『ネタ』でこう報じるほど愛された作曲家キダ・タローさんが、5月14日に亡くなりました。

日清食品の「あらよ、出前一丁」、オリバーソースの「オリバーソース」、大かに道楽の「獲れ、獲れ、ぴち、ぴち、かに料理」など関西人なら耳に馴染むあるCM曲のほか、「プロポーズ大作戦」など人気番組の音楽も手掛けました。その数が1万を超えるともいわれています。。

「探偵ナイトスクープ」など番組出演も多く、「浪速のモーツァルト」は自己紹介ネタとして自らキャッチフレーズにして、関西の人に愛されてきました。

一方で、キダさんがどんな生涯を送って、一風変わった音楽家として活躍するようになったかは、あまり知られていません。

そのキダタローさんに、ノンフィクション作家の田崎健太さんが88歳のときにその生涯をインタビューをした「現代ビジネス」の記事が公開をされています。

もともと父親が刑事だったというキダさんは、宝塚の警察官舎で生まれ、関西の「ぼんぼん学校」関西学院中等部に入学します。その後、ひょんなことから音楽に出会い、お姉さんの一言から人生が変わっていきます。

「私の場合、こうなろうと言うてこうなる男と違います。遙か彼方を目指して何かをやろうというのは一切ない男なんです」

そう笑い飛ばしなから、、「東京が一流やったら、こっちは三ですやん」と三木鶏平や小林亜星への対抗心をにじませるーー独特の笑いと自虐の中に、関西で誰からも愛されるまでになったキダ・タローさんの意地とプライドを感じるロングインタビューです。(瀬)