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自民パーティー券裏金問題、NPOが確認できる全議員の訂正を詳細に分析。浮かび上がった「悪質度が高い」議員は

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

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パーティー券裏金によってどのように政治資金収支報告書は訂正されたのか?

自民党を揺るがす派閥のパーティー券収入の裏金化問題。指摘を受けた政治家の政治団体は、政治資金収支報告書の訂正を行っています。中にはとても訂正とは言えないようなひどいものもあって話題になりました。

一方で、多くの政治家がどう訂正したのか、その手法や傾向の詳細な分析をしたメディアの報道はまだ見当たりません。

そんな中、情報公開クリアリングハウスが、裏金が発覚した99人の政治家がどのように訂正を行ったのか、検証可能が資料が出ているものについて、詳細な分析をしています。

訂正をおおまかに3種類に分類して、その中から様々なケースをピックアップしています。中でも、「悪質度が高い」と指摘しているのが「議員個人からの借り入れ」としていたものを、実は「派閥からの寄付」だったと訂正したケースです。その理由を以下のように述べています。

「議員個人からの借り入れということは、いずれ、その政治団体は借入金を議員個人に返済するはず。いわば、自分から自分に戻す形です。初手から違法な資金が国会議員個人の手元に合法的な装いで渡る前提で報告・記載していたことを示す虚偽記載」

確かにその通りですよね。政治資金がしれっと個人の資産に化けてしまうという構図です。

(上)では収入の訂正について述べられていますが、(下)では支出の訂正についてまとめています。

驚くのは、追加で支出を計上したのに「使途不明」となっている議員が何人もいることです。さらに、内訳の記載が不要なために「ブラックボックス」と言われている「人件費」に計上している議員も見られました。

政治資金規正法を見直すなら、人件費の扱いについても見直すべきです。

このほかにも、収入、支出ともに疑問のある訂正は多数あります。詳しくは元の記事でお読みいただくとして、これでは国民に疑問を持たれたままになるのではないでしょうか。

4月23日に自民党の独自の改正案がまとめられたと報じられています。議員本人による「確認書」も大切かもしれませんが、そういった大雑把なことだけではなく、より緻密に制度を見直さないと、再発防止にはつながらないのではないでしょうか。

情報公開クリアリングハウスは、議員ごとの訂正の内容も、こちらの一覧で詳しく発信しています。(熊)

(情報公開クリアリングハウス 2024/4/22)

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