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【内部資料入手】院内関係者が証言する品川美容外科が「危険なエクソソームがん治療」にのめり込んだ理由

《がんの「痛み」やその他の症状でお悩みの方へ:モニター追加募集のご案内》

新たにスローニュースが入手した2023年3月17日付けの品川美容外科の職員向けの「お知らせ文」は、そんなタイトルで始まっていた。

伊藤喜之(ノンフィクション作家)

「臨床実験で確認されている」は本当か?

お知らせには続いて、本文にこんな記載もある。

「これまで、上清点滴によるがん縮小や転移がん消失といった一定の有効性や安全性が、臨床実験(原文ママ)でも確認されており、当院においても、モニタリングを実施する運びとなりました。尚、当院でこれまで実施してきた上清投与モニタリングによる副作用の報告はございません」(*臨床実験は正しい用語としては臨床試験)

品川美容外科はこう安全性を強調している。

しかし、実際にこのような臨床試験を行なっている医療機関があるのか、何らの具体的な情報はなく、この記載の根拠も判然としない。

職員向けにモニターを募集した案内文では安全を強調しているが

結果として、このモニタリングの追加募集に応じた患者に繰り返し点滴投与がなされ、そのうち複数人にがんの肥大化が見られるという結果が生じることになった。

「なぜ無理をして始めてしまったのか」

「エクソソームはまだ機序(仕組み)が十分に解明されていない。

エクソソームは人体のどこの部位から抽出したものなのか、そして個人差によっても不均質な性質があることが知られており、がん細胞を抑制することもある可能性もあるが、刺激して増殖させてしまう可能性も両方存在する。

まだ動物実験で知見を蓄える段階だろう。なぜ無理をして、こんなモニタリングを始めてしまったのか」

取材した再生医療に関わる専門家はそう感想を漏らす。

なぜ品川美容外科は、エクソソーム点滴にこだわったのか。そんな疑問に答える院内関係者の証言を新たに得た。

ここからは会員向けになります。サイトから消された「エクソソーム点滴」や綿引理事長の反応などをお読みください。

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