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福島原発「処理水」放出を4000枚の写真で3Dモデル化

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3Dビジュアル解説 原発処理水を海洋放出へ 福島第一、廃炉へ新段階

日本経済新聞が、今夏にも始まる東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出について、ビジュアル化した記事を7月7日に公開しました。

原発処理水の海洋放出のメカニズムを3Dモデルをもとに解説する、というのが狙いです。

現況を再現するために、ヘリコプターを使って原発から半径3km離れたところから約4000枚の写真を撮影し、立体画像を作成した力作です。

処理水が入った1000基のタンクがぎっしりと並んだ空撮画像は、もはや余裕のない厳しい状況がひと目でわかります。事故以前の緑に囲まれた発電所の状況との対比がわかりやすく処理をされています。

また処理水放出に反対する中国の原発から福島第1原発の上限量と比べて数倍の量のトリチウムが出ていることも、グラフで示されています。

今回、処理処理水の海洋放出が実現すれば、それは大きな一歩です。

しかし、廃炉にかかる期間は事故から30~40年といいながら、10年以上経ったいまも肝心のデブリは1グラムも取り出せていないことも現実です。

道のりはなお遠いことを、あらためて感じさせられました。(瀬尾)

(日本経済新聞 2023/7/7)

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