武器輸出――日本の「防衛産業」とは何か
前のめりな防衛省、とまどう企業…「新三原則」後の知られざる現状

3章 潜水艦受注脱落の衝撃

機密の塊を外国へ

 新三原則の制定後、防衛省や三菱重工が試金石と考えていたのが、オーストラリアの潜水艦事業の受注だ。総事業費は500億豪㌦(約42000億円)といわれ、その額の大きさに加え、大型の武器としては初めての外国との共同開発であり、繊維や部品などパーツの武器輸出ではなく、ほぼ完成形の武器を海外に日本が初めて出すという意味で、日本の武器輸出推進への本気度と、大型の武器そのものの性能を世界にアピールできる機会ともとらえられた。

 私が知る限り潜水艦の受注計画が持ち上がったのは2013年末ごろからだ。その後しばらく、私はこの件をそれほど深刻に捉えていなかった。防衛…

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