受刑者たちは、どんな本を読んでいるのか?
刑務所の中に、図書館がある。噂を聞きつけて訪れたのは東京都府中市の府中刑務所。罪を犯し、社会から閉ざされた環境に身を置く彼らは、なぜそこで本を手に取るのだろうか。受刑者たちの生活を見つめ続ける現役刑務官に塀の中の読書風景を訊いてみた。「小説新潮」掲載、驚きのルポ。

受刑者はどうやって本を選ぶの?

 図書工場で働く受刑者らによって管理されるたくさんの本。どうやって一人一人の受刑者の元に届くのだろうか。柴田首席が先程の表を見ながら説明してくれる。

「刑務所には常時三万冊以上の本が備え付けられています。ですが、これらすべてがいつも図書工場にあるわけではありません。図書工場はあくまで書庫のような場所で、『特別備付書籍』(辞書など)と『F指標備付書籍』(外国語の本)、そして受刑者らが購入したり返却したりしてなんらかの確認作業が必要になった本だけが置かれています。そのほかの本は各工場に設置された書架に置かれ、そこで受刑者たちが借りる仕組みになっています」

食堂の隅に置かれ…
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