華麗なる「肉食系ビジネス」の世界
2012年、ムンクの「叫び」が当時の史上最高落札価格を更新する1億700万ドルで落札された。オークション会社サザビーズの手数料を加えると1億2000万ドル。当時の為替レート、1ドル80円で換算すると96億円!

エピローグ

 これまで見てきたように、アートビジネスは、マスマーケティングの対極にある究極の個別マーケティングビジネスである。そして、個性的なアート作品と同じくらいに独創的な契約形態、ビジネス手法、つまりディールのアートが存在する。

 旧態依然としている世界であるようでいて、十八世紀に誕生したオークションは、究極のプラットホームビジネスでもある。委託した品にオークションという取引の場を提供し、買主からの入金後はじめて売主に支払うため、リスクは限りなく最小化されている。

 日本では文化、アートというと「草食系ビジネス」と捉える向きが多いが、海外でのアートは生き馬の目を抜く「肉食系ビジネス」である。世界中で、いか…

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