華麗なる「肉食系ビジネス」の世界
2012年、ムンクの「叫び」が当時の史上最高落札価格を更新する1億700万ドルで落札された。オークション会社サザビーズの手数料を加えると1億2000万ドル。当時の為替レート、1ドル80円で換算すると96億円!

作品が少ないから高いはウソ?

 美術品の価格は、美術史の中での評価と需給バランスで決まる。

 ある画廊のオーナーが、自分の画廊と契約しているアーティストに電話をかけた。

「悪いニュースといいニュースのどちらから聞きたい?」

「いいニュースから聞かせてくれ」

「今度の展覧会に出ている作品をまとめて買う人が現れた」

「じゃあ、悪いニュースは?」

「その人はあなたの掛かり付けの医者だ」

 作家の余命はあとわずか。希少性による値上がりを見込んで医者が作品を買う、という昔からのブラックジョークだ。ある意味では本質をついているが、ある意味では外れている。希少性はプラス面ばかりではない。

 つまり、アートマーケットでは、数が少ないことに価値がある一方、…

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