無罪になるのは、1000人に一人
99.9%——。この数字は何を意味するのか。注目の憲政史家が問う、「精密司法=日本の検察」の正義と矛盾。

はじめに 裁かれるのは誰か

最も身近な権力

 裁くという言葉が正しいのなら、刑事裁判において裁かれるのは誰であろうか。被告人だろうか。では、あなたは何かの拍子に刑事事件に巻き込まれ、無実の罪で犯罪者にされそうになったとき、法廷で裁かれる立場に置かれるのか。

 違う。

 司法権は最も身近な権力である。いつ誰が巻き込まれ、そしていわれのない被害に遭うかもしれないのが裁判というものである。だからこそ考えてほしい。多くの日本人が誤解しているが、刑事裁判において裁かれるのは被告人ではない。では、誰か。

 答えを急ぐ前に、私の身近で起こった事例をあげよう。

事の発端

 以下、公人のみは実名で敬称略、一般人はイニシャルで表記する。

 事の発端は、平成二六(二〇一四)年二…

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