2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

EB債スキーム

 「松濤ゲストハウス」と呼ばれるその豪邸は三メートルはあろうかという高い塀によって四方を囲まれ、その内と外とは完全に遮断されている。鈍く黒光りする鋼鉄製の大型門扉が二カ所あり、辛うじて外界との行き来を確保しているが、磨りガラスが填め込まれているため塀の内側を覗くことはできない。

 中空に突き出ている上部によって、塀越しでもその威容が十二分に窺える鉄筋コンクリート造りの居宅は二階建てで、不動産登記簿によると、その直下には二層に及ぶ地下室が深く穿たれているという。延べ床面積は一千七百二十三平方メートルにも及ぶ。畳一千枚を敷き詰めても、まだ足りない広さだ。

 外部からの侵入者を警戒しているのだろう、塀や…

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