2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

飛ばし

 SFCGの破綻により、日本振興銀行は二重譲渡の問題を初めて知るところとなった。

 三月十九日の時点で日本振興銀行にはSFCGから買い取ったローン債権が一〇二四億円も積み上がっていた。破産管財人が会見で明らかにしていた二重譲渡債権の額は七〇〇億円という途方もないものだった。自己資本の三倍を優に超す買い取り債権が保証人の破産により振興銀に重くのしかかり、同じく二倍に相当する債権が実体を伴っていないおそれがあったのである。

 この驚愕の事実を前に日本振興銀行、とりわけ債権買い取りビジネスを押し進めた木村剛や関本信洋ら経営の中枢は激しく動揺したにちがいない。そこで、木村らはどうしたか。選んだ道は、ひたす…

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