2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

決裂

 元役員によると、木村剛が血相を変えてSFCG本社に大島健伸を訪ねてきたのは二〇〇九年二月十日か十一日のことだったという。木村がその場で抗議したのは、日本振興銀行が担保に取っていた不動産をめぐって大島側が不穏な動きを見せていたことだった。事前の相談もなく勝手に所有権の移転登記がなされていたのである。

 SFCGからのローン債権買い取りを続けていた日本振興銀行だが、その条件については時とともに対応を厳しくしていた。買い取り手数料は前年十一月の契約で三・五パーセントにまで引き上げていたし、さらに追加の担保も要求するようになっていた。振興銀とSFCGとの契約は形式上あくまでローン債権の売買だから、本来…

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