2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

9 ペイオフ発動

負の磁場

 それぞれの所属を表すのだろう、赤、青、黄、緑と四通りに色分けされた名札を各々首からぶら下げた社員が数人ずつ連れ立って会場に次々と入っていく。行く手では黄色いジャケット姿の係員が大声を張り上げて誘導作業に追われていた。

 二〇一〇年が明けて最初の「ネットワーク会議」は一月九日に開かれた。それは半年も前から周到に準備されてきたものだった。横浜市みなとみらい地区のパシフィコ横浜国立大ホールを借り切り、「中小企業振興ネットワーク」はその日朝から「ネットワーク・フェスタ」と銘打った三千人規模の集会を大々的に開催したのである。

 スモークがたかれ、レーザー光線が照らすなか、理事長の木村剛が壇上に現れると、パ…

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