2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

7 一瞬の邂逅

木村と大島の蜜月

 木村剛と大島健伸が初めて相対峙したのは二〇〇八年の十一月頃だったとされる。会合場所として選ばれたのは、日本振興銀行の本店にほど近い神田界隈の料亭風の店、ただし、それほど高級な雰囲気ではなかったという。振興銀はその年四月、三七億円を投じて融資先の個人から神田司町に自社ビルを購入し、大手町から本店を移していた。

 その日は日本振興銀行が顧客であるSFCGを接待する格好だった。トップ同士が顔合わせして今後さらに取引を拡大させようとの狙いで設けられた会合というわけだ。出席者は振興銀側が取締役会長である木村のほか、融資企画室を担当する取締役兼専務執行役の関本信洋とその部下である佐藤賢一の三人、SFCG側…

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