2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

破産者・大島健伸

 他方、自らが築き上げたSFCGを追われた大島健伸はどこまでも墜ちていった。

 二〇〇九年五月八日、大島は思いもよらぬ形で個人破産を申し立てられる。債権者として突然立ち現れたのはSFCGに対して過払い金債権を持つとする中小零細事業者六十五名だった。その後ろには団長の木村達也を始め総勢でおよそ百六十人にも上る「日栄・商工ファンド対策全国弁護団」がついていた。代表取締役であった大島には「役員等の第三者に対する損害賠償責任」を定めた会社法第四百二十九条による損害賠償請求権が及ぶというのが、申立弁護団による主張だった。

 破産申し立てを受理した東京地裁民事二十部は一カ月後の六月四日、大島の破産手続き開始を…

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