2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

身売り交渉

 ここで時計の針をすこし巻き戻して、クーデター派の四人が強権志向を強める木村剛に反旗を翻すまでの内情を見ておこう。

 創業メンバーの落合伸治を追放した木村はその後、ワンマン経営に傾くとともに、水面下で日本振興銀行の身売りを模索した。

 すでに触れたように、木村らは新銀行を立ち上げるにあたって資本金集めに苦労し、開業後もそれは変わらなかった。木村が自身や個人会社の名義で大量の増資を引き受け、おそらくは本意でない形で筆頭株主に押し出されたことも先述したとおりだ。銀行は財務の健全性を保つため、自己資本を拡充させる必要がある。貸出や預金量を増やす一方で、開業初期の赤字から抜け出せない日本振興銀行にとっては…

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