2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

ベントリアン・ローンから匿名組合方式へ

 EB債スキームが機能し始め、松濤ゲストハウスの建設が進んでいた頃、大島健伸は四人の弟妹からある相談を持ちかけられていた。

 弟妹四人は株式公開前から商工ファンド株をすこしだがあてがわれていた。一九九九年六月、大島の仲介の下、四人は商工ファンド株をブロックトレードにより売却し、それぞれ七億円弱の大金を手にしていた。大和証券でそれを運用し、四人は生活資金に充てようと考えた。しかし、運用はうまくいかず、各自の資金は一割ほど目減りしてしまっていた。そこで大島に対し、国債よりも有利な条件で運用できないものか、と相談を持ちかけたのである。

 その年の秋までかかり、大島はあるスキームの原型を考えついたが、前回…

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