2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

日銀の一匹狼

 日本銀行の採用試験で木村剛の面接官を務めていたのは、のちに総裁へと上り詰めることになる福井俊彦だった。当時、福井は人事局次長の役職にあった。二人の出会いに関しては、とみに有名な話がある。後年、木村がよく語ったエピソードだ。

 採用面接で福井は木村に対してこう質問したという。

 「金儲けっていうのは汚いものだから、私は国民のために働きたいと言って、日銀を志望する人が多いんだけど、君もそうだよね」

 これに対して木村はこう言い返した。

 「金儲けは汚いなんて言うヤツは、中国へ行って人民服を着てればいい」

 すると、福井はしたり顔でこう内心を打ち明けたという。

 「そうだよな。そういう志望動機は俺もうさんくさ…

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