2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

商工ファンド誕生

 父の世代のような泥臭さやある種のいかがわしさを、大島健伸の経歴からは感じとることができない。額面通り受け取れば、戦後いち早く経済的な豊かさを手に入れた家庭の子女が進学校を経て有名企業に入るという、巷の日本人が理想として描いた大過ないエリートコースそのものである。

 大島は明治大学附属中野高校を卒業後、慶應義塾大学商学部へと進学した。前掲書によると、大島の成績は「六十四勝三敗」だったという。つまりは最上位の「A」が取れなかったのが三コマだけだったというわけだ。大島は「金時計組」だったと自慢している。

 慶應卒業後、大島は三井物産に入社した。機械部に配属後、化学品部に移り、入社三年目にはインドネシア…

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