2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

破滅

 木村剛と大島健伸が時を同じくして刑事被告人となったのは、二人のもつれ合った運命の帰結として、見えざる手によって最初から仕組まれていたようにも映る。しかし、実際のところ、それはちょっとした偶然にすぎなかった。

 金融庁に対する抗戦姿勢をあくまで崩さなかった木村が、自らの身辺に迫る捜査についてどの程度予感していたのかは定かでない。五月三十一日、木村は長年続けてきたブログの更新を突然休止している。それは金融庁への恭順の意を仮装するためのものだったのか、それとも精神的に追い詰められた末の敗北宣言だったのか。いずれにせよ、その時がやって来たのは六月十一日のことだった。

 金融庁による銀行法違反(検査忌避)…

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